サブテーマ1
火山噴出物分析による噴火事象分岐予測手法の開発
サブテーマ1では,火山噴出物の化学分析及びデータ解析を迅速に行うツールを開発し,大量のデータを処理する火山噴出物分析・処理システムを構築します.その上で,噴火過程が歴史資料などにより明らかにされている噴火事象を用いて,事象分岐予測を行うための基本となる情報を11火山(有珠,富士,伊豆大島,伊豆東部,榛名,雲仙,由布・鶴見,阿蘇,霧島,桜島,諏訪之瀬島)で収集し,噴火事象分岐判断基準となるような火山噴出物の分析結果や解析結果を俯瞰できるカタログを作成します.
フィールドエミッション型走査電子顕微鏡 FE-EPMA
高解像度での微細岩石組織観察,2次元断面の元素濃度マッピング,高精度の局所化学分析を可能にする高性能の走査電子顕微鏡.サブテーマ1の要といえる分析装置です.
微細組織観察
1μm以下の高解像度での微細組織観察によって,噴火前後にマグマ中でおこる結晶作用やマグマ混合,脱ガスなどのプロセスに関する手がかりを探します.
元素濃度マッピング
岩石試料の研磨面上での各種元素濃度を定量的にマッピングします.これによって,火山噴出物を構成する物質の割合や,結晶成長・マグマ混合・脱ガスなどのプロセスの情報を取得します.
鉱物化学分析
岩石試料の研磨面上で1~10μmスケールの局所化学分析を行います.鉱物やガラスの化学組成から,マグマの温度や粘性率,マグマだまりの圧力,元素拡散時間などの情報が得られます.
研究の1コマ
霧島火山にて.露頭を前にしてテンションが上がります!
マグマの混ざったシマシマの軽石を発見しました!
年輪のような成長痕を残す斜長石斑晶は,どのような過程を経て成長してきたのでしょうか?
過去5万年間の活動履歴を記録する露頭の観察(榛名火山)
←最新の2噴火における火砕流・降下火砕堆積物の産状の観察
(榛名火山)
サブテーマ1 参加メンバー
こちらのPDFの担当課題3.1をご覧ください.